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8/21にカナダでは日食 を見ることができました!アメリカでは皆既日食が見れたそうですが、バンクーバーでは皆既日食ではなく部分日食でした。
日食の撮影に挑戦したので、その方法と注意点を合わせてご紹介したいと思います。
日食撮影に必要なもの
太陽撮影用 NDフィルター
太陽の光は明るすぎて、普通に撮影しようとすると、真っ白になってしまって写すことができません。
そんな時でも、光をカットして撮影することができるようにしてくれるのがNDフィルター!
・NDフィルターの数字で濃さを選ぶ
購入するときに気をつけたいのが、”ND ○○”と、NDの後ろにつく数字の大きさです。
ND2やND4など、NDフィルターの濃さはこの数字で表されています。
ND2なら、レンズを通る光の量が1/2に、ND4なら光の量が1/4に・・・といった具合に、NDの後に続く数字の分だけ、レンズを通る光を減らすことができるんです。
例えば、ND400なら、光の量は1/400になります。
・太陽撮影用はND100000が主流
調べてみた所、「太陽撮影用」「日食撮影用」のNDフィルターは、ND100000というものが多いようでした。
太陽の光に合わせて減光すると、太陽の黒点などのディティールが撮影できるようになるようです。
私は手持ちがND400までしかなかったので、ND400をつけて、シャッタースピードと絞りで明るさを調節してみました。
・NDフィルターは重ねて使える!
他にも、NDフィルターを重ねて使うこともできるようです。
例えば、ND400を2枚使用すると、400×400=160000で、明るさを1/160000にすることができる計算になります。
望遠レンズ
太陽を大きく撮影するのに必要なのが望遠レンズ。
センサーサイズによっても変わりますが、ミラーレスや入門機に多いAPS-Cであれば、800mmくらいの望遠レンズで迫力のある太陽の写真が撮れるようです。
「そんなに長い望遠レンズは他のシーンで使えない」という時には、焦点距離を延ばせる「コンバージョンレンズ」を使うこともできます。
私はコンバージョンレンズも望遠レンズも持っていないので、今回はズームレンズを望遠側にして、あとはできるだけクロップ(切り抜き)することにしました。
三脚
長時間撮影する場合は、ずっと上を向いていると首が痛くなってしまうことも・・・
高い位置にある太陽を撮影する時は、三脚があると便利です。
日食撮影の注意点
撮影方法をご紹介する前に、注意点をお伝えしておきます。
目で直接太陽を見ちゃダメ!失明する恐れが…
小さいころ、「太陽を見ちゃダメだよ」と親によく言われていた方も多いと思いますが、これは本当の話で太陽を直接見ると、失明につながることも!
日食撮影は太陽の位置を確認したり、太陽にピントを合わせようとしたりなど、太陽をつい見てしまうことが多くなるシチュエーションです。
ついうっかり見てしまいそうな時は、日食撮影用の眼鏡やフィルムが売られているので、そうしたアイテムを使うようにしてください。
私は太陽を見ないよう、常にカメラのディスプレイを通して位置やピントを確認していました。
ファインダーから太陽を見るのもNG
また、直接ではなく、ファインダーから太陽を見るのもNGです。
ミラーで集められた太陽の光が反射して目に入ってくるので、太陽を見るのと同じくファインダーからも太陽を見ないように気をつけてください。
ファインダーにはレンズからの強い光が集まっているので、近くにいる人のやけどの原因にもなるそうです。
ファインダーにはキャップをつけておきましょう。
メーカーサイトでも、注意喚起がされています。
太陽からはたいへん強い光(目に見える光の他、紫外線・赤外線など目に見えない有害な光も含まれます)が出ています。また、強い熱も持っておりますので一眼レフカメラなど、レンズを通った光をファインダーで直接見るカメラの場合は、太陽を見ると大変眩しく、熱が集中するなど、目を傷めてしまうことがあります。
NDフィルターなしで撮影はNG!センサーが焦げるかも
強力な太陽の光は、レンズを通してそのまま撮影すると、カメラのダメージにつながる可能性があります。
特に、レンズからの光を直接受け取るセンサーには、集まった光が直に当たるので、焦げてしまうことも・・・!
この動画には、実際にNDフィルターなしで撮影して、カメラから煙が出てくるという衝撃的な映像が!!
私も太陽撮影用のNDフィルターの手配が間に合わず、手持ちはND400のみだったのでかなり恐々撮影しました。。
日食撮影をするなら、カメラのためにも適切なNDフィルターを使用して、安全に撮影してくださいね。
撮影方法
1. NDフィルターを取り付ける
すでにご紹介したNDフィルター。これをレンズに取り付けます。
NDフィルターにレンズに取り付けられる溝がついているので、ペットボトルのフタのようにくるくると回せばOK。
私は手持ちのND400で撮影しましたが、カメラのためにはもっと数字が大きく濃いNDフィルターが良いので、これはあまりおすすめできません・・・
撮影する際には、太陽撮影用のNDフィルターや、NDフィルターを重ねて太陽に適した明るさにできるようにするのがおすすめです。
数字の小さいNDフィルターは、適した明るさに調節できなかったり、カメラのダメージにつながる可能があるので、前もって太陽用のNDフィルターを用意しておくとベストです。
今回は私も事前に用意できず冷や冷やしたので、次回は太陽撮影も安心してできるNDフィルターをちゃんと用意しておこうと思います!
2. 三脚にカメラを設置
撮影したい場所に三脚を立てて、カメラを太陽の方に向けます。
太陽の位置確認やピント合わせがしやすいよう、液晶画面を回転させて、見やすい角度にしました。
望遠レンズを持っていないので、ズームレンズを最大の50mmにしました。
ISO・シャッタースピード・絞りで明るさを調節
つけたNDフィルターの濃度や、雲があるか(雲が多いと暗くなる)によっても設定は変わりますが、太陽の輪郭が見やすいように明るさを調節します。
NDフィルターの数字が小さいなら、ISOを低く、シャッタースピードを速く、絞りの数字を大きくする必要があります。
Kenko Tokinaのサイトがすごく分かりやすかったので、下の図を参考にしてみてください。
・感度をISO100として設定した場合
引用元:https://www.kenko-tokina.co.jp/
私は以下の設定で撮影してみました。
・NDフィルター:ND400
・ISO:200(下限)
・絞り:F8
・シャッタースピード:1/1600秒
上と比較して見るとかなり明るめの設定ですね・・・
望遠レンズではなく、太陽がかなり小さく写っていたから、この露出になったのかな?と思います。
3. ピントを合わせる
液晶画面を見ながらピントを合わせます。
太陽は動くので、オートではなくマニュアルでフォーカスしておくのがおすすです。
私はマニュアルフォーカスで使える「フォーカスピーキング」というアシスト機能を使おうと思ったのですが、望遠レンズではなく太陽が液晶内でかなり小さく見えていたので、あきらめて無限遠(一番遠く)にピントを合わせることにしました。
4. 撮影しながら調節
最初の設定が終わったら、一枚写真を撮ってみましょう。
望遠レンズの場合は手振れが起こりやすいので、レリーズやタイマーを使って撮影するのがおすすめです。
もし写りで気になるところがあれば、設定を変えて、また一枚撮ってみます。気に入る設定になるまで撮影しながら調節しましょう。
雲の動きによっても、設定を変える必要があるので、その都度変更しながら撮影します。
今回の日食は雲が全然なく設定の変更が必要なさそうだったので、タイマーレリーズを使って自動で連続撮影するようにしました。
(タイマーレリーズにすると太陽にずっとレンズを向けていることになるので、センサーの焦げやカメラが熱くなることなど、故障の恐れがあります。撮影するときは気をつけつつ自己責任で行ってください。)
撮影した日食写真
上でご紹介したような設定と手順で、こんな写真が撮れました。
撮影開始時
10分後
30分後
月の黒点などは遠すぎて見えませんが、一応輪郭は撮影することができました。
時間経過と一緒に欠けていく様子も撮ることができたので、初めての日食撮影としては満足のいく仕上がりになりました!
タイムラプス
撮った写真でタイムラプス動画も作ってみました。
(太陽の位置が変わってしまうので、途中変なフレーミングになりますがご容赦ください。。)
PowerDirectorでかなり簡単にできたので、またタイムラプス動画の作り方もご紹介したいと思います。
安全な日食撮影を
色々と注意点もご紹介しましたが、太陽撮影は「やめたほうがいい」という方もいるくらい、注意が必要な撮影です。
必要なアイテムを揃えて、しっかり注意すれば撮影はできますが、安全を重視したい方は日食用サングラスで観察することをおすすめします。
もしそれでも日食を撮影したい!という方は、しっかり注意しつつ自己責任で行ってください。
今回は長くなったので省略しましたが、また日食用サングラスがなくても日食を楽しむ方法、NDフィルターが無くても太陽の形を写す方法をご紹介したいと思います。